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カタルシス!
午後8時30分前、指定された横浜駅の近くにワゴン車が来た。ミリタリーの格好をした御手洗幸一と早乙女菜月だ。
「お待たせしました、哲さま、本日担当します、発散堂の御手洗です。よろしくお願いします。早速ですが電話で確認した発散後の自己責任同意書にサインをお願いいたします」哲也はサインをした。
哲也も車の中でミリタリーの衣装に着替えた。使用する機関銃はトライデントLMG、電動のエアガン。電池もBB弾の装填も満タンだ。ちなみにBB弾は環境を考えて水にも土にもかえるものを使っている。
哲也は御手洗から入念に説明を受ける。菜月は車の運転に余念がない。そして決行場所である横浜の、とある埠頭に車を停めた。
「哲さま、決行のお時間です。時間は10分間、海やこの助手の早乙女に向かって好きなだけ玉を撃ち込んでください。思う存分、発散を。ああBGMは当社よりサービスでございます。」
菜月は防弾チョッキを着ているので当たっても痛くはない。
哲也はまず海に向かって「馬―鹿―野―郎―!!」とさけびトリガーを引いた。
ダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!
「みんな、消えてなくなれ!」「なんで俺だけまともなんだ!」
「みんなブチ壊してやる―――――――――――!!」
ワゴン車からは、John Lennonの「Power To The People」がボリューム最大で流された。車には街宣用スピーカーがついているのである。
御手洗は微笑みながらもっともっと叫べとジェスチャーした。
本日の仕事2万4500円なり。
了
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