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1話 世界壊滅
鉄と書いて兎で鉄兎(テツト)それが少年の名前。
少年の見た目は10歳くらいの小学生そのものだった。
彼は普通の子供とは違っていた。
病気を抱えており、今も病院の屋上の休憩所からでしか公園で走っている子供達を眺める事しか出来ない。
体の筋肉が衰えていく病とされた。
しかも新種の病とされ、普通の筋肉が衰えるのと違い、衰えた筋肉が石のようになってしまう病であった。
右膝から下が石像の右足になっている。
見た目も灰色の石そのものだった。
お医者さんは徹底的にテツトの事を研究してきた。
テツトの治療には莫大なお金がかかる。
父親は機械道具の部品メーカーに勤めている。
母親はプラモデルの設計図を作り上げている。
2人は残業に次ぐ残業で、あまりテツトに面会にはこない。
それでも両親の愛情は感じる。いつも誕生日とクリスマスの時にはテツトの枕元にプレゼントが置かれていたものだ。
父親からは立体パズルを渡される。
母親からは可変型フィギュアを渡された。
病室の中の棚には沢山の立体パズルと可変型フィギュアが並べられている。
可変型フィギュアは1体のロボットが飛行機や戦車や船になったりするもので。
こんな人間になれればいいなとテツトは思っていた。
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