中学校

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 放課後になると実琴が私のクラスまで来ると言った。 「真琴。明野(あけの)円加(まどか)とテスト勉強するんだけどさ、カラオケ来ない?」 「え……」  突然の誘いにしどろもどろになる。  あと、何故テスト勉強でカラオケ?  素朴な疑問をぶつけたい気持ちもあるが、もっと先に聞かなくてはならないものがある。 「なんで私を誘うの?」 「んー、なんとなく」 「なんとなくって」  実琴の後ろには友人の明野さんと円加さんらしき人たちが立っている。目が合うとペコリと二人がお辞儀したのでつられてこちらも頭を下げた。 「紹介するね。明野と円加」  実琴がややタイミング遅めに二人を紹介する。 「じゃあ行こうか」 「ちょ、ちょっと」  そう言って私の手を引っ張る。  あ。これ一緒に行くパターンだ。  こうなると私は断れない。  実琴は私が押しに弱いことを知っている。知った上でのこの行動だ。  実琴は「本人の了承を得ました~」なんてピースサインをしている。やっぱり、私の姉はずるい。  友人の二人も実琴と同じくノリが良く明るいタイプなのだろう。  明るめの髪に短いスカート、鞄には派手な原色系のキャラクターのキーホルダーがいくつもぶら下がっている。  この四人の中での私は完全にアウェイ。お呼びでない存在と感じてしまう。  つまり、超がつくほど居心地が悪い。  カラオケ店に行く足取りは重かった。
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