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「待ってよ」
全員が学校へ戻ろうとした時、邪美が止めてきた。
「でも、それなら、ラーメンはどうするのよ。
ラーメンは宇宙なのに、なかったら成立しないじゃない」
その時、店主がずいと前に出てきた。
「それは俺に任せろ。
舞台映えするラーメンを作ってやる。ただ、俺の作るラーメンのサイズは普通だぞ。客席にどう見せるかはみんなで考えろ」
「え~」
巨大ラーメンを作ってくれ、とは思うけど、さすがに三時間では無理なのは分かる。そもそも器がない。
困る部員たちを見ながら望月先生が、何かを思いついたのか、手を一つ叩いた。
「先生、ホームビデオカメラを持ってるの。
舞台にはプロジェクターで映せば拡大できるわ。先生たちの会議で使うんだけど、文化祭の時に使う予定はないから、借りる許可は取れるはずよ。
三時間で、ラーメンだけでなくて、子豚と親豚、そしてドラゴンのシルエットも一緒に撮る……のんびりしてる暇はないわ!学校に戻って準備よ!」
「はい!」
みんなの声が揃って、文化祭に向かって動き始めた。
あと三時間、頑張れ!
次のページ 卯都木涼介さま
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