第二章 僕はカフェへ君と…。

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※ カフェには時計がなかったから、時間がどれくらい経ったかを知ったのは、そのカフェのあるビルの外へ出た時だった。 外はもう真っ暗で、繁華街を歩く人達は昼の顔から夜の顔へと変わっていた。 これから飲みに出かけるのか、和気あいあいと騒ぎながら歩いてくる集団が前から歩いてくる。 通路いっぱいに広がったその集団に、どう先に進むか悩んでいると、スルリと優人が私の手を握ってくれて、集団を上手くすり抜けられるように手を引いて歩いてくれた。 「あ…、ありがとう」 「ううん。なんかぶつかりそうで危なっかしかったから」 優人はそう言うと、その後もそのまま私の手を握ったままだった。 なんだか恥ずかしくなり、それを隠したくて、私は何でもいいから優人に話しかける。 「今日はありがとう。素敵なカフェを教えてくれて」 「ううん、僕の方こそ、付き合ってくれてありがとう。それに、なんだか偉そうなこと言っちゃったよね。ごめん」 「そんなことない。優人が真剣に向き合ってくれたのは分かったから、嬉しかった」 「そっか。それなら良かった」 優人がぎゅっと掴んだ手に力を入れてくる。私も握り返していた。
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