ハイ、回想シーン入りまーす

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「おじさんが、天使さま?」  ……そうね、10歳児からみれば27歳成人男性はオジサンですね。  訂正するのはダセぇと思って、オレは大きくうなずいた。 「そういうコト。窓閉めるから入らせてね」  いつまでも窓を開けていると、この子の部屋がクソ(ファッ◯ン)公衆便所臭くなっちまうからな。  開いているスペースに体を滑り込ませ、素早く窓を閉めた。  超狭い。  痩せ型とはいえ190オーバーの体格に2メートル四方の小部屋は狭すぎる。  少女はずっと、明るいグリーンの目をキラキラさせながらオレを見ていた。  自分で編んだのか、お下げにしたブラウンの髪はいびつな形をしている。  たぶん、ごく普通に生きてきた人間なら、この少女を見て可愛らしいと思うんだろうな。  だが、オレは真っ当な生い立ちじゃねぇ。  だから、目の前のターゲットがかわいいなんて、これっぽっちも感じなかったぜ。
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