R.I.P ～ある公務員の手記ならびに求人案内～

残念だったな！ エロいことは何一つ書いてないぞ

　そう、組織。仕事の話をしよう。
　一応、国の管轄なんだぜ。だから公務員ってコトになるな……今初めて気づいた。
　正式名称はなんつったか。
　クソ(ファッ◯ン)王室……帝室特設機動執行部？　とかそんなような感じだった。
　通称のほうが覚えやすいぜ。
　RIP。
　ご名答、墓石に刻む常套句、レスト・イン・ピース――安らかに眠れ、だ。

　変態さんにも察しがついただろ？
　そう、オレの仕事は安らかな眠りを提供すること。永遠のな。
　「職に貴賎はない」の言い出しっぺは、それでもこれを「汚い仕事」とは言わないんだろうか？
　聞いてみたいもんだ。

　ま、否定する気はねぇよ。
　オレらはヨゴレ役だ。
　国のお偉方がお引取り願いたいと思うヤツを、丁重かつ強制的にお引き取りいただく仕事。
　もちろん、そいつの人生からに決まってる。

　暗殺者？　殺し屋？
　もちろん、そういうスマートな仕事もある。
　病気に見せかけて殺したり、遠くから狙撃したりな。
　だがオレの得意分野じゃねぇ。
　できると思うか？

　このオレが、パリッとしたスーツに身を包んで、どこぞのCEOだかCOOだかと株価の話題でキャッキャしながら会食して、白い歯をキラーンとかさせながら握手を交わし、さんざん交流を深めたあとスポーツクラブのサウナかなんかでヒートショックに見せかけて殺す、なんて芸当。