ハイ、回想シーン入りまーす

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ハイ、回想シーン入りまーす

 オレはその日の22時10分前、あるアパートの裏にバイクを止めた。  久しぶりに来たスラムは、笑っちまうほど臭ぇ。  公衆便所みてぇな臭いがするのに、どこにも便所が見当たらないなんてホラーだろ。  ハトとハトじゃない何かのクソにまみれたクソ(ファッ◯ン)外階段を上がり、三階にある部屋の窓を開けて言った。 「ちわー、ラストサパー・デリバリーでっす」  そこは物置みたいに小さな寝室で、ママゴトみたいに小さなベッドと、豆電球のランプが乗ったサイドテーブルがあるだけだった。  ベッドでは……うーん、ガキの年齢はよくわからんが、10歳くらいの少女が目ん玉をまん丸にしてオレを見上げていた。  クソッタレ!  子供かよ、よりによって!  上司の野郎のクビを全身全霊で締めたい欲求に駆られたが、返り討ちにあうだけだと考え直して冷静さを取り戻す。  よくよく思い出してみれば、朝渡された指示書にはターゲットの年も書いてあったに違いないんだ。  確認不足とはいえ、心の準備ができていなかったせいで動揺しちまった。
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