00 プロローグ

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00 プロローグ

「ねぇ…こんな鎖で繋いでなくても、私は逃げないわよ…?」 女は妖艶な表情を浮かべて真斗(まさと)を薄目で眺め、腰を振っている。 その言葉を無視するように、女の細い首に付けられた首輪から伸びる鎖をグッと力を込め一気に後ろに引いた。 「ングッ…!!」 女の背は半月を描く様に反り、首が締まると同時に真斗を呑み込む彼女の下部もキツく締まった。 同時に達しながら、自分に突き出された女の乳房に手を伸ばし、片方には口を寄せる。 女の苦しそうな呻きと、偶に漏れる甘い吐息が真斗を更に興奮させる。 -この女を拾ってから何度抱いただろうか。元々淡泊だった性欲は底が抜けたように際限が無い。。…もうそれすらも分からない- 真斗は抜かないまま二度目の精を女の中へと吐き出し、溜息を吐いた。 鎖を引く力が緩んだ事で、女はまた真斗を試すような表情で見つめている。 -この視線だ。この女に見つめられると、何かが壊れていく音がする- 女の身体を乱暴に自分の上からどかし、真斗は洗面所へと駆け込む。 蛇口を捻って勢い良く流れ出た水を両手で掬い、顔を洗った。 どうしてこうなったのか。いつからこうなってしまったのか。 出逢った夜をぼんやりと思い出しながら顔を上げると、鏡に女が映っている。 背筋がぞくりと震えた。鎖は室内を行き来するぐらいの長さにはしているが、それにしてもこの女が移動する気配は無かった。 女はいつもと変わらぬ楽し気な表情で真斗の腰に手を伸ばした。 自分に巻きつく女の腕をまるで蛇のようだと思いながら、真斗は後ろを振り向いて女の口を塞いだ。
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