少女散文

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「雨の日に」 雨の日にカウンター以外誰もいない図書室で本を読むのが好きだ。まるで時間が止まっているような、私自身が本のページと一体化したようなそんな感覚になる。 どこまでも続く私の同じページ。ぽつぽついう雨の音。止まりながら流れ続ける私の時間。 「もうすぐ閉館時間ですよ」 ふいに声をかけられる。 窓を見ると雨は上がっていた。 世界が眠りから覚めると共に私の時間もゼンマイを巻いたように動き出した。
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