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意外にもしっかりした声音で驚く。
「…失礼致します、大司聖様」
顔を上げ、オーギュはドアノブに手を掛けた。
数時間後。
オーギュの発言を受け、ロシュはぽかんと呆けたような顔で「わ、私は魔導師に戻るんです??」と口走っていた。
「…一時的に、です。ただ周りには知らせないように。司聖が堕落の証を晒すのは体裁も悪いので、しばらくこの薬剤で消して貰います。一旦魔導師に戻り、再び司祭としての再契約をするのです」
「ほぁー」
何だその気の抜けた返事は、とオーギュのこめかみがぴくりと動く。
「薬で消せるなら問題無さそうな気もしますが…」
「常に塗るのですよ。効果は一日のみですし、大司聖様がわざわざあなたの為に作って下さった薬です。毎回作らせる訳にはいきませんよ」
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