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孤独を自覚したら、もうダメだった。
「うぅっ……!」
自分の頬を濡らしているのが真夏の通り雨じゃなくて、自分自身からこぼれ落ちるモノなんだと自覚したらダメだった。
抑えなんて効かない。
効くはずがない。
特効薬みたいなモノがあるのならすぐに教えて欲しかったけれど、きっとそんなものなんか存在しない。
神様にだって作れやしない。
自分の気持ちを偽った人間になんて、誰も味方なんてしてくれないんだ。
――もういいや、諦める。
恋心を忘れるための恋なんて――。
いろいろなモノを諦めて、アタシは降り止むことのない雨に身を任せることにした。
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