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猫の声
テレビの音量を下げた分、猫の鳴き声がよく聞こえた。涼が人を連れて来た。
「え、あの料理らしいのあんまり無いんだけど。そもそもどちら様なの」
「僕の師匠。師匠が幸に興味があって。会いたいようだったから。ちゃんと連絡しなくてごめん」「そうなんだ。はじめまして、幸です。涼さんの手伝いをさせて頂いています。師匠さんは何をされているのですか」「僕はオンラインでセラピーをしてます。名乗り遅れました。田所時雨です。宜しくお願いします。名刺どうぞ」「ありがとうございます。セラピーはどんなことをしてますか。今度お願いしていいですか」「セラピーはソウルカラーセラピーです。勿論です。良かったら今試してみますか」「いいんですか。ありがとうございます」「ちょっと二人で何盛り上がっているんですか。幸、後でどうなっても知らないから」そう言って涼は立ち去った。涼が居なくなったのを確認した時雨は商売道具を出した。それから他愛ない話を始めた。「なんか、さっき見た感じだと涼が意地悪しているようですね。大丈夫ですか。良かったらLINE交換しましょう。それと一つアドバイスします。あまり相手にしないことです。
自分のことを第一に愛して下さい。心臓部分に手を置いて大丈夫だよ。頑張っているね。と優しく喋ると癒しになります」「なるほど。ありがとうございます。LINE交換したいから、ふるふるしますね」そう言い終わる前に唇に暖かい感触がした。ふわっと力が抜けた。
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