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1.研究材料003(2)
[娘たち(サンプル達)へ。]
突然で申し訳ないが、私は助手と共にやらなければならないことが出来てしまった。
3人ともにこうやって言葉を送ることが出来るのも、今回が最後になるだろうと思い、私はこの手紙を書いている。
3人には身勝手だと嫌ってもらっても、仕方がないことだろうと思う。
私の夢に、産まれたての君たちを強制的に付き合わせてしまった、本当にすまない。
産んだ親としては無責任な私だが、三人ともにメッセージを残そうと思う。
まず、サンプルA、君は他の二人よりも早く産まれ、本当に良くしてくれていたと思う。
ありがとう。
そして、三人の中で最も辛い、幼女期を送らせてしまたとも思う、あの時のことを今は反省している。
すまない。
そして、次にサンプルB、君は一番甘えん坊だったね。
いつも私のところに来ようとして、サンプルAに止められていたように覚えているよ。
寂しくさせてしまいすまなかった。
でも、そんな時期も、サンプルCが産まれてからは少なくなった。
実質的な妹が出来たんだ、寂しさが軽減税率されたのではないかと思って、勝手に安心していたよ。
数日前にサンプルCの世話をしている所を見たのもあってね、ありがとう。
そして、最後にサンプルC、君と居る時間は三人の中で一番少なかった。
理由はもちろん一番遅くに産まれたから。
何を言えばいいのか、難しいが。
サンプルC、君のおかげで私の研究は少し前に進めたよ、ありがとう。
利用したような言い方ですまない。
君たちが、幸せになれることを祈っているよ。
残りの人生は、私にとって、いや、君たちにとっても短いといえるものだろうものだが、今まで本当にありがとう。
少しばかりだが、生活に必要な現金を入れておく、生活の足しにしてくれ。
さようなら。
[お母さん(博士)より]
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