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「あ、そうだ。私郁人くんの前の席なんだ。席まで近いとか神だよね」
「やっぱり波音だったんだ。賑やかになりそう」
「それは私がうるさいって事かな?叶絵さん?」
「ご想像にお任せします」
そう言って私は席に座った。
周りを見渡すとやっぱり派手な見た目な人ばかり。
こんな人達ばかりなのに郁人達、やっていけるんだろうか。
「あ、王子と美女」
そう言われて声の方を見る。
私の前の席に座ろうとしていた男の子は金髪で、両耳にピアスが三つもついていた。
完全なるヤンキー。
「うわー!入試の時に騒がれてた有名人とお近づきになれるとかやばくね!?俺この席で良かった!」
「……何?」
不審な目を向けると男の子はニコッと笑った。
「俺、福永朔夜!仲良くしよー!」
「はいはーい。私、松田波音。よろしくー」
「波音めっちゃ元気じゃん!俺ら気が合いそう!」
「そう思ってるのは朔夜だけー」
「うわ、振られたー」
楽しそうに笑っている二人。
このノリ、めっちゃ疲れるんだけど。
「僕は岸谷郁人。よろしくね、朔夜くん」
「はぅっ!!何、この胸のトキメキ!?郁人のキラキラ王子スマイルを見たら胸が熱くなって恥ずかしくなる!!」
「え?どうして?」
「天然なのかよ!可愛いかよ!!」
元気だな、この人。
呆れながら見ていると福永くんが私を見た。
「はい、次は美女の番」
「その美女って言い方やめて。私は別に美人じゃない」
「叶絵って自分が美人って事に気が付いてないタイプなんだよね。入試の時に思った」
「ごめんね、叶絵は自分が美人なのを小さいときから認めないんだ」
「こんなに美人なのに……」
なんか3人が私を憐れむように見てくるんだけど。
私はため息をついた。
「茅ヶ崎叶絵、よろしく」
「そのクールさがたまらない!!なんだろう……自分の中に眠るM心がくすぐられるって言う感じ……」
「うわー、朔夜きもーい」
「波音めっちゃストレート!!」
なんか、うるさくなりそうだな。
でも、なんでか凄く楽しく感じる。
この学校に来て良かったかも。
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