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「このクラスの担任になった木島だ。これから一年間よろしく。早速だが、来週に親睦も兼ねてオリエンテーションの遠足がある。その班を決めてもらいたい」
先生の言葉に盛り上がる皆。
すると福永くんが私と郁人を振り返った。
「俺達一緒に班になろーよ!波音と郁人と叶絵ちゃん!」
「いいけどー、あと二人はどうすんの?」
波音が首を傾げる。
すると福永くんが不敵に笑った。
「それは安心して。超面白い奴紹介するから」
そう言って福永くんが手を挙げる。
「おーい、凛ー!萌音ー!」
名前を呼ばれたであろう二人が反応する。
二人が福永くんの側にやって来た。
「何?」
「さっくん、どったのー?」
福永くんはニコニコ笑って私達に二人を紹介した。
「こいつら俺と中学一緒だった補習仲間。この白髪美男子は永草凛。バンドしてるし、結構人気あるんだよね」
「ああ、騒がれてた王子と美人。初めまして、よろしく」
「美人って言わないで。茅ヶ崎叶絵、それからこっちが岸谷郁人」
「よろしくね」
郁人が手をひらひらと振る。
「それからこっちのツインテールが相馬萌音。超馬鹿だから気を付けて」
「さっくんひどーい!さっくんだって馬鹿じゃん!てか、かなちんといーくんに変な印象与えないでー!!」
おそらく『かなちん』と言うのは私だろう。
変なあだ名付けられたな……。
「かなちん達とお喋りしたかったから超嬉しいー。萌音、友達になりたかったの」
可愛い子だな。
ツインテールでピアスついてるし、超ギャルだけど。
「はのはのとはちょっと前に話したよね?」
「そうだねー。萌音、話してると楽しいから好きー」
「萌音もはのはの好きー!」
何となく似てる二人に思わず笑みがこぼれる。
「じゃあ俺達これで班決まり!叶絵と郁人争奪戦が行われる前で良かったわ」
ホッとする福永くんに苦笑いの永草くん。
「叶絵ちゃん、こいつ普通にうるさいけど悪い奴じゃないから」
「大丈夫、永草くん」
「郁人くんもごめんね」
「気にしないで。賑やかなの嫌いじゃないから」
「俺も二人と話せて良かった。これからよろしく」
女の子にもてそうな人だな。
郁人と変わらないくらい美男子だし。
にしても、この学校って顔面偏差値高いな。
「ねぇねぇ、かなちん」
「何?相馬さん」
「やだなー、萌音って呼んでよ」
「……何?萌音」
「いーくんと付き合ってないの?」
「は?郁人と付き合う?いや、絶対無い」
「なんで?幼馴染でもこんなにイケメンなんだよー?萌音だったらやばいかもー」
「だって郁人、お母さんだし」
私がそう言うと萌音と波音が目を点にして、それから吹き出した。
「お、お母さんって!」
「でも何となく想像できるかもー!」
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