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櫂と一緒にご飯を作って4人で食べる。
それにしても本当に櫂の作ったご飯美味しい。
櫂に負けるの、なんか嫌だな。
付き合えるとか思ってないけど、それでも好きな人よりは料理上手くなりたいし。
「この学校ってさ、毎月何かイベントあるんだね!凄く楽しみだな!」
莉乃が嬉しそうに足をぶらつかせながら言う。
偏差値低い場所を探してこの学校に決めたけど、正直入学出来て良かったと私は思ってる。
波音や萌音とも友達になれたし、クラスの子だって普通にいい子ばかり。
落ちこぼれが来る学校だって波音は言ってたけど、勉強出来るだけがいいってものでもないんだな。
「今日のオリエンテーション、楽しかった?」
郁人の言葉に莉乃が頷く。
友達も出来たみたいで安心した。
この学校は3人には合ってないような気がしてたから。
浮くような事があったらどうしようかと思った。
「海梨ちゃんが一緒に歩いてくれたし、クラスの子とも仲良くなれたんだ」
「海梨ちゃん?」
「同じクラスの女の子で、凄く明るくて誰とも仲良くなれちゃうの。櫂の事もすぐに手懐けたんだよ」
「手懐けたとか言うな」
ため息をつく櫂。
でも嫌そうではなかった。
そんな女の子がクラスにいるんだ。
なんだか胸の奥がモヤっとした。
櫂は私のじゃない。
むしろ離さないといけない存在。
その子と櫂がどうなろうと私には関係ない。
そう思いながら私は小さく深呼吸をした。
~オリエンテーション~
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