30人が本棚に入れています
本棚に追加
この男は本当にどうしてこうも人をドキドキさせるのか。
私は赤くなりながら櫂にお礼を言った。
別に付き合ってる事を言ってもいいけど、どうしても言ってはいけないような気がしてしまう。
親戚の言葉をずっと引きずっているから。
……一度、自分の中で整理しないとな。
そうじゃないと、いつまで経っても私は自信が無い。
それは流石に櫂に迷惑だ。
私を好きだって言ってくれたのに、私は自分が嫌いだなんて。
席について私はお母さんにラインを返した。
『おじいちゃんとおばあちゃんの家に私も行く』
本当は行きたくないけど、行かなくていいなら行きたくないけど。
だけど……。
覚悟を決めてスマホを仕舞う。
それから私はスクリーンを見つめた。
私はもう変わるんだ。
親戚に言われた事を気にして生きてるだけの生活なんて、もう嫌だ。
そう思いながら少し息をついた。
~夏休み~
・
最初のコメントを投稿しよう!