夏休み

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この男は本当にどうしてこうも人をドキドキさせるのか。 私は赤くなりながら櫂にお礼を言った。 別に付き合ってる事を言ってもいいけど、どうしても言ってはいけないような気がしてしまう。 親戚の言葉をずっと引きずっているから。 ……一度、自分の中で整理しないとな。 そうじゃないと、いつまで経っても私は自信が無い。 それは流石に櫂に迷惑だ。 私を好きだって言ってくれたのに、私は自分が嫌いだなんて。 席について私はお母さんにラインを返した。 『おじいちゃんとおばあちゃんの家に私も行く』 本当は行きたくないけど、行かなくていいなら行きたくないけど。 だけど……。 覚悟を決めてスマホを仕舞う。 それから私はスクリーンを見つめた。 私はもう変わるんだ。 親戚に言われた事を気にして生きてるだけの生活なんて、もう嫌だ。 そう思いながら少し息をついた。 ~夏休み~ ・
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