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電車を降りて学校に向かう。
予想していた通り、派手な見た目な人達ばかりだった。
私達をチラチラ見ているのは私達が場違いな雰囲気を出しているからだろうか。
特に、莉乃と郁人。
このフワフワ二人は確かにこの学校には似つかわしくない。
入試の教室に入ると、入試とは思えないくらいざわついていた。
同じ学校の人は出来る限り一緒にならないはずなのに。
現に私は3人と離れ離れになっている。
自分の席に座ると隣の女の子が私の肩を叩いた。
「私、松田波音、よろしく」
「……なんで自己紹介?まだ受かったわけでもないのに」
「受かったようなものでしょ」
「なんで?」
「知らないの?この学校、入試テストとか無いよ?」
「え?」
「だってこの学校って、あらゆる学校の落ちこぼれ達が集められた学校なんだよ?入試出来る人数決まってるってさ。だから入試が決まったら受かったもんなの」
そうだったんだ。
そうとは知らなかった。
私は松田さんを見て口を開いた。
「私、茅ヶ崎叶絵。よろしく」
「よろしくー。同じクラスだといいねー。あと茅ヶ崎さんと一緒に来てた3人も」
「叶絵でいい。てか見てたの?」
「じゃあ叶絵って呼ぼーっと。私も波音でいいからね。見てたって言うか、目立ってたって言うか?叶絵達美形すぎて眩しすぎたって言うか」
「いや、私が美形なわけないし。3人が目立ってるような気は何となくしてたけど」
「自分が美人なの気づいてないタイプかー、叶絵って。今だって男子の視線一人占めしてるくせに」
「はい?そんなわけないじゃん。波音だって可愛いし、波音の事見てるんでしょ」
「鈍感って怖いよね。叶絵って面白い」
楽しそうに笑う波音。
私はそんな波音を見て微笑んだ。
波音と同じクラスだったら面白そうだな。
そのあともずっと波音と話していて、気が付けば入試の時間は終わっていた。
波音と教室を出て下駄箱に行く。
そこには3人が私を待っていた。
相変わらず視線受けてるな。
「それじゃあ、また入学式で」
「うん。波音と同じクラスなの祈っとく」
「私も叶絵と同じなの祈っとくー」
波音に手を振って靴を履き替える。
3人は驚いたようにしていた。
「……何?その顔」
「なんか叶絵、もう友達出来てる!!」
「隣の席だった子。話しかけてくれたから」
「私なんてテストもないのにずっと誰とも話せずに大人しく座ってたんだから!!ていうかテスト無いとかどういうこと!?」
「私も知らなかった。波音に言われて初めて知った」
「なんかめっちゃ見られてるし!!でも目が合ったら逸らされるし!!泣きたくなった!!」
「それは辛かったね」
莉乃が私に抱き着く。
多分莉乃を見ていた人達は緊張で話しかけられなかったんだろう。
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