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「……やっぱり、この船は捨てられた物だよな」
俺がメモをかきこんでいるとセイジが小さめの声で呟く。俺もレイもセイジの分析に納得はしていたが、俺には一つだけ気がかりがあった。俺はそれを口にすることにした。
「なあ、この船が捨てられたという事には納得している。だけど、一つ引っかかることがあるんだ」
「なんだよ」
「どういうこと? 」
セイジとレイが尋ねてきた。俺は一呼吸置いてから、また話しはじめた。
「それはな、なんでここに捨てたんだよって話。ここは、今、俺たちがいる森の中でもそんなに木々が生えていないから上空から見るとすぐに見つかるぞ。コソコソと捨てるためにここに置いたのだとしたら、意味がないんじゃ無いかってな」
「…… 確かにな」
セイジが同意する。レイも同じ意見らしく、俺に向かって首を頷けていた。俺たちは更に十分以上かけて船内を見回りながらなぜここに置かれたのかの理由を熟考したが、結論は出なかった。
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