プロローグ

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 船内の窓から外を見るとだいぶ日が傾いてきたようだったので、俺たち三人はそれぞれの家に帰ることにした。今日は本来ならばこの森の先にある山まで行って中腹まで登山をする予定だったが、その道中で船を見つけたため、この状況となっていた。  俺たちは船を降りて、状況を発見前の状態に戻した後でもと来た道へと歩きだした。 「これは、どうする? 警察に突き出すか? 」  少し歩いてからセイジがそう言って足を止めた。確かにこの船をどうすべきか考えていなかった。 「しばらく様子をみるのはどう? もしかしたら勝手に見つかるかもしれないし」  レイが提案する。彼にはまだ船を調べたいという欲があったのだろう。俺もまだこの船には興味があったので賛同の意味で頷いた。 「じゃあ、しばらくは言わないでおくか…… 」 「それでいいと思うぜ」  俺たちは宇宙船にもう一度目をやった後、再び歩きだした。空は既に暗かった。
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