200人が本棚に入れています
本棚に追加
あとがき
紹介文にも書いてありますが、こちらは元々文章を書くリハビリのために、流行の異世界鉄板設定を使って一回ポッキリのSS練習に取り組んでみようということで書いた単発ものでした。
(筆を置いて5年。私はもう創作する側でなくとも良いかなと思っていたのですが、なんやかんやと戻ってきました)
その後、友さんに支えてもらい、気軽な感じで三章まで加筆。私の中ではそれで取りあえずの終了のつもりでした。
ですので、特典にある「博雅鬼の記憶ありversion」はSSの終了には丁度良い設定の薄さかなと思い、書いたものです。
また、3話でまとめるつもりでしたので、そちらのversionについては1章からの雰囲気をそうは変えずに書けたかなとも思います。
けれども、私の中で「記憶なしversion」も見てみたいと思ってしまったのですね。
そちらの選択肢を取ると設定が厚くなる分、3章ではおさりきらなくなって、後々自分の首を絞めることは分かっていたのですが、好奇心に負けて書くだけは書いてみたんですね。
すると、案の定、二人のその先が気になり、ドツボにハマりました(笑)
しかも、記憶がないというのはどうしてもモダモダとした葛藤がつきまとうものですよね。
ですので、綴るにはここで作風をガラリと変えざるを得ませんでした。
まぁ、二人のその先を見るために取った、1つの決断です。
そのせいで読んでくださる方を振り落としてしまったかもしれないのですが、私自身、それをしたとしてもどうしても二人のその先が見たかったのです。申し訳ないです。
また、こういった経緯ではじまった物語ゆえにプロットもありませんでした。
私の場合、あったからといって上手に綴れるとは限りませんが、それでもないよりはマシでして(笑)
心配性なのもあって、元々プロットなしで書くことはほとんどない上に、最後まで下書きができてはじめて推敲に駒を進められる感じなのですよ。ほら、粗とか辻褄がおかしいところとかを、直書きだと直せないので。
ですので、先の見えない不安に迷い迷いしながら綴っておりました。
兎に角、endマークを付けることを第一目標に書いていましたので、それが達成できただけでも御の字です。
(おかげさまで、今回はプロットがなくともハゲずに済みました(笑))
そんなこともあって作品を振り返るのは怖いのですが、私としては久々に少し長めのお話に取り組む機会になって良かったです。
えっと、文字数にすると、1000字×P50=5万字あたり。ピッタリとはいきませんでしたが、そこを目指して書きました。
また、エ〇シーンなしであることや、交互視点で綴るのがお初でしたので、自分の中で新たな課題として取り組むことができて有意義でした。
というのも、視点に関してですが、以前は受け視点オンリーで綴っていたんですね。
別に頑な拘りがあるからではなく、意外にね、この縛りは書いていて面白かったのですよ!
受け視点オンリーだと攻めの気持ちは書けませんから、いかに受けの見たことや攻めの台詞、行動でそれを表すか。また、それでいかに書いている自分自身を胸キュンさせるか。その点に挑むのが面白かったのです。
ですが、交互視点も書いてみると、こちらも面白いものですね。
感情はダイレクトに書けますが、心に響くかどうかはまた別の話なので、そこが難しかったです。
読んでくださった方の心にまで響いたかどうかは分かりませんが、取りあえずは書いている私自身の心に響けば良いかなと思って書いていました。
ということで、お話作りも一つ一つが自分自身の経験。とても有意義な創作時間を与えて下さった全ての方に感謝です。
さらに、最後まで付き合って下さったみなさま、支えて下さったみなさまには感謝しきれません。
本当にありがとうございました m(__)m
と、しめたところで話は変わりまして……。
短い作品といえど、このお話にも制作秘話(秘話というほどのものでもないか……)があります。
少しだけそれを語ってお別れにしようと思います。
【1.地名】
こちらに出てくる地名ですが、ほぼマレー語から取りました。
マレー語というと、普段日本人はあまり耳にしない言語ですよね?
おそらく「スラマパギー」「トゥリマカシー」くらいじゃないでしょうか。私もそれくらいしか知りません。
ですが、あまり知られていないことに加えて、この異国情緒のある響きが異世界ものにピッタリだなと思ったのですよ。
ですので、ブキ=丘、エア・パナス=温泉、フタン=森、ラウ=海、砂丘=パシール、パヤ=湿地といったところから、地名をつけました。
一応、シンガポールやマレーシアの地名もマレー語の組み合わせでできているものが多いので、なるべくカブらないようにと単語使いしました。
実際ある地名例)
・Bukit:丘
地名→ Bukit Panjang(長い丘)、Bukit Timah山(鉛の丘)、Bukit Merah(赤い丘)
・Pasir : 砂丘
地名→ Pasir Panjang(砂丘港)、Pasir Ris
ネット検索さまさまです。
【2.仏教用語】
真面目路線に舵を切り直したことで登場することとなった仏教概念。
ただ私はお恥ずかしいことに、葬式仏教で仏教のブの字も掠らないくらい、仏教の教えについて疎いのですね。
若かりし頃、空前の写経ブームが来たことがあって(パラミタミュージアムの常設展示に池田満寿夫氏の陶彫「般若心経シリーズ」がありまして、それを見た時にになんと心の洗われるものなのかと感化されたのがキッカケです)、何度か薬師寺に写経をしに行っていたにも関わらず、そこで開かれる尊い説法会に参加することもなく、写経を終えた後は彩華ラーメンを求めて奈良の町をウロチョロしていたという俗物っぷり(笑)
学ぶ機会は一応あったものの、スルっと逃しています(-_-;)
ですので、教えはもちろん、お経の言葉の意味も全く知りません。
どちらかといえば、仏教よりもカトリックの教えの方がまだ分かるくらいです。
ということで、こちらの執筆にあたり、少し仏教の教えにも触れることができたのは良かったです。
でもって、その教えが少々は私の血肉になっていると良いですね。
(逆境に立った時の光明になるはず)
ですが、まぁ、生きること=四苦八苦な試練が付き纏っているというならば、こうして創作できていることにまずは感謝ですよね(*^^*)
ということで、最後までお付き合い & 支えて下さったみなさま、ありがとうございました。
(※ 少しですが、オマケを次のページに……)
最初のコメントを投稿しよう!