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8才
テレビでヒッチハイクのとくしゅうがやってた。
しらないひとにくるまにのせてもらって、たびをするんだって。
タダでどこでもいけるなんて、いいなぁ。ぼくもヒッチハイクをやってみよう。
にちようび、リュックにオモチャとおやつをいっぱい入れて、でかけた。
おかあさんはスーパーにいってるから、いまはいない。
ぼくはいえのちかくにあるみちにたって、おとうさんゆびをたてた。
しばらくして、くろいくるまがとまった。まっくろいめがねをかけたおとこのひとがおりてきた。
「坊や、ヒッチハイクかい?」
「そうだよ」
「じゃあ、おじさんが連れて行ってあげよう。ほら、車に乗って」
そのとき、おかあさんがものすごいかおではしってきて、ぼくをだっこした。
「あなた、誰?! うちの子をどうするつもり?!」
おかあさんはおじさんをおこった。
おじさんはおかあさんがくると、あわててくるまにのって、はしっていっちゃった。
おかあさんはぼくのリュックをみて、びっくりした。
「あんた、どこ行くつもりだったの?」
「ヒッチハイク」
ぼくはとくいげにいった。
でも、おかあさんはおこってた。
「お留守番頼んだのに、勝手にどこか行こうとしちゃダメでしょ! 知らない人の車に乗るのもダメ! ヒッチハイクは大人になってからにしなさい!」
おかあさんはおこりながら、ぼくをぎゅーっとした。おこってるのに、ないてた。
ぼくもよくわからなくなって、ないた。
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