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つかつか歩み寄った神宮寺さんが、邪魔者となった私の顔を確認し、軽く瞬く。
しばらくじっと見つめられ、ひどく落ち着かない気持ちになった。
「君は仕事をしに来たのか、それとも邪魔しに来たのか、どっちなんだ」
「……申し訳ございません」
「なにをしに来たのか聞いているんだが」
「…………仕事です」
これ以上なにを言われるのかハラハラしていると、パチパチと場違いな拍手がすぐ側で聞こえた。
「噂には聞いてましたけど、神宮寺さんってほんとに怖いですね」
「……は?」
「俺、アキって言います。アイドルやってるんですけど、いつか神宮寺さんに撮ってもらうのが夢で!」
「なんなんだ、お前」
「すすすすみません、アキくんが」
慌てて割って入り、へらへらしているアキくんを引っ張り出す。
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