契約は少し強引に

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(いい子……ではあるんだけど)  たった二つしか違わない相手にそんな感想を抱きながら、やっとの思いで夜を迎えた。  明日の心配をしながら事務所のドアをくぐろうとしたそのとき。 「相模さん、ちょっと」 「なんでしょう?」  上司に声を掛けられ、出ようとした足を引っ込める。 「高橋さんが話したいらしいから。たぶん、アキくんのこと」 「高橋さんって、まさか」 「そう、あのプロデューサーの」 (……わあ)  いくつもの人気番組を同時進行している敏腕プロデューサーとして業界では有名なだった。  アキくんが関係した話となれば、きっと番組の出演に関することだろう。というより、他にない。 「すぐに向かいます」 「うん、よろしく」
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