契約は少し強引に

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 新しく番組を作る予定がある。どうせならこの事務所からアイドルの子をメインとして使いたい。売り出し中の子となるとアキくんが候補に入っているが、正直、他の子とも迷っている。もしアキくんを使うにあたってプラスになるものがあれば、間違いなく決め打つのだが……。  ――どうしてもアキくんを売り出したいなら、マネージャーの私に身体を売ってほしい。そうすれば望み通りにしよう。 (本当に、心の底から、軽蔑した)  面と向かって言えない分、心の中で噛み締める。  敏腕プロデューサーの裏側がこんな下劣だったとは思いもしなかった。  尊敬していた部分もあったのに、今、この瞬間木っ端みじんに砕け散った。尊敬していた、なんて過去は綺麗さっぱり消し去って下水道に流してしまいたい。
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