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ついでに待ってる間つまんないから友達を一人つれてきた。東矢っていうおんなじクラスのやつで、こいつも怖い話が好きなやつだ。
「ナナオさん、これやな感じするからやめたほうがいいと思うんだけど」
東矢がそう言ったのは、急行がもう10回もすれ違った時。
驚いたことに、休日で人が少ない急行の窓ごしのホームに、10回とも何かの影があったのだ。
しかも、回を重ねるたびにどんどんくっきりしてくる気がする。
全体的にぼやけててよくわからないけど、女っぽいのかな。なんか変なひらひらした白っぽい服を着てる、気がする。
「東矢、お前も見えてんだろ」
「まぁ、見えてるけどさ」
東矢は心配そうにこっちを見てるけど、私はひるまない。
そうだ、写メればくっきりわかるんじゃないか?
私は写メを構える。
今だっ!
急行と急行のすれ違うホームにカメラを向けた。
撮れた写真は盛大にブレていた。正直、手ブレはあんまり考えてなかった。
ザザッと斜めにずれた写真をじっくり見る。
でも、動いている急行の窓を通してみる姿と携帯で切り取られた姿では、結構違ってみえた。
んんん、なんか、変。
ぼんやりはぼんやりしているけど、なんかうねうねしてる感じ?
よっしゃ、手ブレないようにもっかい撮ろう。
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