48歳、トラブル発生を前提とした生活へ・・・

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俺は国際会計士資格とMBAを持ち、老舗中堅化学企業の社長の長男。 取締役として経営に参画し辣腕を振るい利益を倍増させ、昨年の4月に専務取締役へ昇格した。 昇格と同時に辞令が交付された。 『地元の国立大学の理工学部化学学科に入学し、修士課程を終了せよ』 マジか・・・? 社長である父親曰く、研究開発分野への理解を深めるためと研究開発者の為人を6年間勉強しろと命じられたのだ。 地元の国立大学という条件は、単に会社に近いかららしい。要は大学生になっても専務取締役として働けということだ。 その日から仕事以外の時間を受験勉強に充てた。家で俺は、長女と同じ大学受験生となったのだ。 俺は社長からの業務命令の通り、大学合格した。長女も学部は違うが同じ大学だった。 それだけなら、まだ良かった。次男は同じ化学学科の大学院修士課程1年生。 そして、今日は入学式。 俺は48歳で大学1年生になった。 家では父親。 会社では専務取締役。 大学では1年生。 取締役に勤務時間はない。とはいえ6年もの間、専務取締役と大学生生活の両立は可能なのか? 今日から、トラブル発生を前提とした生活が始まる。
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