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〜 クオレ 視点 〜
俺もそこまで馬鹿じゃないし、気付かない訳じゃない
目を醒ませばオニーサンの肌から香る、俺の血の匂いに酷く口角を上げたのを覚えてる
「 フフフッ、嬉しいなぁ…オニーサン♡
やっぱり俺達って相性良いんだよ。嬉しいね…。あぁ、嬉しいよ……君の身体が悪魔に染まっていくの…… 」
寝間着の上から腹下に触れ、指先から伝わる僅かな魔力に、本能的に全ての生気と魂を与えた
その為に、淫魔は集めて溜めておくのだからオニーサンには惜しみ無くあげるよ
でも、やっぱりお腹が空くんだよね
人間の食べ物なんかじゃ足りないほどに、生気が欲しい
「 ぁあっ、まっで、ぐれ……!もぅ、でねぇ、から……ぁあっ!! 」
「 へぇ……反応してるくせに……。エロいね…… 」
「 っ〜〜!! 」
魂を喰らえば怒られるのなら、代わりに精子や卵子、それに生気を集めるだけ
俺の顔を気に入った男や女をちょっと路地に引き込んで、抱く事は容易いし魔界でも人間界でも変わらない
吐き出した欲を手の平で受け止めて、口へと運び飲み込んでは、衣服を乱した男は座り込み意識を失った
「 残念、オニーサン程の体力は無かったか…… 」
一人の人間から搾り取れる生気も精子の量も限られている
自分の腹を満たし、尚且つ…オニーサンにも与えるならどれだけの人間が必要になるのかな
「 嗚呼…なんだろう、気持ち悪いな……。オニーサンに触れたい 」
肉体も、魂も好きな男に出会ったせいで
全てが気持ち悪く感じてくる
触れて突っ込んで、いつものように奪うものですら面倒くさくて仕方無い
もういいかな………、今夜はもう十分集めたと自己満足してはあの家へと戻った
何となく風呂に入り、匂いや汚れを洗い流してから
タオルを腰に巻いた程度のまま、音と気配もなく寝室に行き、眠ってるオニーサンの側に立つ
「 ………綺麗な魂だよね…本当。魅力的 」
ベッドに上がり、ゆっくりと被さり布団を腰の方まで下げては胸から腹下へと手を滑らせ、頬へと口付けを落とす
「 ん…… 」
僅かに反応をした様子を見てから、唇を重ね、此処に戻って来なかった日に溜めた生気を与え、口を離せばオニーサンは目を開けた
「 触れたくなれば、戻ってくるのか…… 」
「 うん、そうだよ 」
「 都合がいいやつだな……。3日間…何してたかは聞きたくはないが…… 」
半分寝惚けているのだろうか
やけに素直に聞こえるその言葉は、どこか違和感がある
もしかして、気になってた?寂しかった?
へぇ……オニーサン、可愛い事を思うんだね
「 ふっ、可愛いね。沢山…抱いてあげるよ 」
「 はぁ!?なんでそうなるんだ……!ばかっ、盛んな! 」
「 触れてほしかったんでしょ。だから、いっぱい交尾しようね 」
何度も頬やら首へと口付けを落として、身体を抱き締めていれば
嫌がりながらも本気で抵抗しない辺り、可愛いと思う
脚を開かせて、自分の身を割って背中に腕を回し抱き締める
「 っ、おまっ…… 」
「 でも……ごめん…… 」
「 は? 」
「 なんか……眠いから…また、明日ね…… 」
足りない生気を自らのもので補いながら、与え付けていく事は、恐らく難しい
出来れば魂を食いたいと思いながら、胸元に頬を当て眠れば、オニーサンは呆れるように頭に触れた
案外、ギリギリまで起きてたから覚えてるけど心地よかったよ
「 本当……自分勝手なやつだ…… 」
鉛のような重い身体を起こした時には、日は高く昇っていた
それを見て、もう一度オニーサンの匂いがする枕に顔を埋めて眠った時には月が出てる時間帯だった
「 やっと起きたか。そろそろ飯が出来るから手を洗って…… 」
「 クオレ…お眠?大丈夫? 」
重い身体と、求めたい魂がそこにある
溢れるほどの愛おしさに、契約の事を忘れ
エプロンの着た衣服のまま背後から、腹へと腕を回し抱き締めていた
硬直した彼に、気にもせず肩へと額を当てる
「 ……好き、オニーサン…… 」
アンタの魂が心地良い……
身をくっつけたままじっとしていれば、翔太の声が耳に届く
「 羊の悪魔は……甘えん坊? 」
「 っ……テメェ、離れろ 」
「 ……いや 」
と言うか無理、今だけ……
いや…ずっとこのまま引っ付いていよう
顔を持ち上げ赤い瞳を翔太へと向けた
「 少し魔界で休みたい……。オニーサンは、貰っていくよ 」
「 なっ!!? 」
「 えっ……? 」
「 人間界は、無駄に疲れるから…… 」
その場で魔法陣を発動させ、左右に大きな黒い梟のような羽を広げれば彼等が驚くのを他所に、オニーサンと自分を包み込み魔法陣の中へと入っていく
人間界に残った羽根は、灰となって消えていく
「 到着……此処、俺の部屋…… 」
「 俺の部屋……じゃねぇよ!!翔太はどうすんだ!!それに晩飯が無駄になるだろう!!! 」
「 翔太は賢い……。交尾しよう 」
「 っ、なわけ!!やめろ、流石にふざけんな!! 」
回復するには手っ取り早い魔界に来たけど、嫌そうにするオニーサンをベッドに押し倒し、見下げれば彼は目を見開いた
「 おま、その姿…… 」
「 魔界での本当の姿。好きに思うといいよ……悪魔なんて、こんなもんでしょ 」
人間での肌の色とは違う、褐色肌に黒い羽を生やし、大きな巻角に、淫魔らしい脱ぎやすく際どい服装
ぴっちりのインナーに骨盤が見える程に下げたボカっとしたズボンに、銀の装飾品の数々
首にぶら下がるネックレスを揺らし見詰める
「 まるで…聖書で見た…。サタンじゃねぇか…… 」
「 あぁ、父親の角は反ったような角に…獅子の鬣と蛇の尻尾があるじゃん。俺とは違うよ 」
「 なっ、御前…サタンの子か!? 」
「 そうだよ……。サタンと淫魔の間に生まれた12番目である″ 牡羊 ″
クオレ=ディアボロ・アリエーテ。
それがこの魔界で30体しかいない、最上級階級の悪魔の1人だからね 」
羊の姿は恐れられない為に使ってるだけ
実際には、黒い翼を持ち、馬ような長い尾を持つ牡羊のような魔物だ
半信半疑だった疑いは此れで晴れたかな?
硬直したまま目を見開き、唖然としてるオニーサンを見ていれば彼は眉を寄せ、顔を引きつらせ笑った
「 そんな奴に執着されたら…逃げる事も出来ねぇな……。もう好きにしろ…… 」
「 最初から其のつもりだよ。俺の匂いをしっかり付けておけね……此処じゃ、人間は極上の獲物だから 」
「 っ……んっ……! 」
諦めてくれた方が都合がいい…
口付けを落とし、媚薬を使わないように気をつけながら舌先を触れ合い、そのまま彼の服を乱し、行為へと移る
しっかりと、俺の魔力を注いでいないと神職側の人間とバレたら犯された後に喰われてしまうだろうからね……
自分の獲物だという証を付ける
「 はぁ、ぁ、あっ…!っ……! 」
「 ふっ……ん…… 」
正常位から体位を変えて、背中を向けさせれば四つん這いになった彼の背中と胸元を密着させ腰を揺らす
片手で腹下を撫でていれば、反応よく中をキツく締め付けてくる
「 はぁ、ぁ、ァあっ……くっ、前……さわってくれ……キツイ……ぁ、あっ…… 」
「 ふっ……俺が触ってもいいの……? 」
「 あぁ、さわって……ぁ、くれ…… 」
素直なのは翔太がいない人間界じゃなく、魔界だからかな
反応や感度もいいし、何より可愛く求めてくる事に興奮する
疲れてて重かった身体は嘘のように動きやすいから俺自身も機嫌がいい
うなじへと歯を当てながら、手首に当てられていた手に誘導されるまま
陰茎を掴み、ガマン汁が垂れてガチガチになった先端を撫でるように擦れば彼は腰を震わせた
「 ひっ、ぁあっ!あぁ、いいっ……!んんッ! 」
「 ふふっ……ん… 」
気持ち良さそうなのは分かる
手の平に自ら擦り付けるように腰を揺らして、それに合わせて中を突き上げ背骨側を擦れば、彼はシルクのシーツに爪を立て顔を下げたまま身を震わせた
「 っ…ぅう、ぐっ……あぁ、っ!! 」
亀頭に手を添えて、包み込んだ為にそのまま手の中へと精子を放った
垂れる前に掬い、口へと飲むように自らの手の平を舐めれば、彼の身体はシーツへと倒れた
「 はぁ、はっ……。もう……むりだ…… 」
「 ふふっ、そんな弱気なオニーサン、珍しいね 」
抜くことなく脚を動かさせ、正常位へと変えれば腰を揺すられるのを時々感じる様に眉を寄せる彼は、惚けた表情を向ける
「 きもち、良過ぎるから……。くせに、なりそうだ…… 」
「 ……なりなよ。そのまま堕落していいよ 」
「 あっ、ぁあ……クオ…レ。気持いい…から……ぁ、あっ…! 」
本能のままに意識が揺れ動く場所、魔界
理性がほどけた彼の本心が、俺と行為をしてクセになると思っていたのなら…
それは彼が言わずにいたこと……
面白いと内心、悪笑みを浮かべ人間界じゃないし、契約なんて放置して唇を重ねた
「 なにを、んっ!?ぁあっ! 」
「 その媚薬に耐えれるほど、理性が残ればいいね…オニーサン♡ 」
「 んぁ、だめだ、そんなぁ、あっ、あっ、ひっ!はぅ、アッ! 」
欲のままに、素直に生きていく魔界で理性なんて言葉は通用しない
本能のままに欲に溺れて、求め合えばいい
最初から、そうした方が魂から気持ちいいと快楽を求めて溺れるんだよ
溢れる体液に肉棒を擦り付け、腰を揺らしながら唾液を垂らし、惚けて理性を無くしたアヘ顔を晒しては
彼は、何度も俺を求めて、受け入れて精子やら先走りを飛ばした
その腹下が、精子でポッコリと膨れるぐらいまで何度も何度も注ぎ入れる
ここには太陽も月も存在しない
時計なんて気にするやつもいない
朝昼晩、問わず永遠と抱き合うなんて良くある事
「 あぁぁあっ!ん、ごっ、もう、だめっ、っ、ごわれるっ、ひぁ、ぁうあっ! 」
「 ふっ……可愛い……グチャグチャになって壊れていいよ。マイハニー♡」
「 んんっ!!! 」
正常位からたいして変わらないまま、求めて続けた行為
彼は最後に、薄くなった欲を吐いては意識を飛ばして気を失うように眠りについた
それに反して俺は、欲を消えるほど行為をして清々しいぐらい気分が良かった
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