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〜 神崎 視点 〜
薄っすらと意識を浮上させ、身を起こせば身体の脱力感と共に下半身に感じる違和感に気付き、布団を捲り上げた
「 は……? 」
漏らしたようにバスローブの股間部分は湿り気を帯びてる事に、思考は昨夜の事を思い出そと寝起きの頭を回転させる
翔太を子供部屋に連れていき、淫魔は夢の中に現れると何かの本で読んだ為に、寝ずにいつでも殺せるよう拳銃を持っていた
「 あ………くそ…… 」
ぼんやりと曖昧だった記憶は覚醒していく
そうだ、横になって寝たふりを決め込んでいればベットに上がってきた重みに気付いて
拳銃を向けた時にはあのモフモフした羊の中に腕が埋まっていた
「 淫夢を見せられたのか…… 」
その後は急な睡魔に耐え切れず眠りにつき、現実味のある行為を…あの、悪魔と行っていた
「 ご名答。俺とヤりたくなった? 」
急に現れた淫魔はご機嫌な様子で顔を覗き混ん出来た
「 ……俺の許可なんて必要無いんだろ 」
「 まぁ無いね。オニーサンは俺と契約してる以上、定期的に行為はして貰うし…というかする 」
風呂に入ってるときに鏡を見て、丁度心臓の辺りに刻印がされてあった
まるで牡羊のように巻角が有る羊の焼印のようで、引っ掻いたところで取れはしなかった
見たくもない悪魔の印に、嫌気がする
「 夢での会話が本当ならば……息子には手を出すな。其れさえ守ればいい 」
淫魔に取って夢も現実も自在に行き来出来るだろう
俺に淫夢を見せたならば、夢の内容は強ち間違いでは無い
口角を上げ、ベットに上りシーツへと触れた淫魔はエメラルドグリーンの瞳を向けた
「 許可を貰わずヤるのは簡単なんだよ。でもね、俺は…求められてヤる方が好きなんだ 」
「 はっ、なら残念だな。御前に魂までも向けてやる気はねぇよ 」
こんな、男の身体がいいなら好きにしろ
だが、父から継いだ教会に背くほど心を悪魔に与える気は無い
「 ふっ、この上級淫魔に心を取られなかった者はいないよ。まぁ…身体が、素直になれば心も付いてくるだろうけどね 」
「 有り得ねぇな 」
きっぱりと断っていれば、バスローブをずらし太腿を撫で上げる悪魔は、犬の様に顔を下げ内股へと舌を当て、そのまま萎えている陰茎へと舌先を滑らせた
コイツは、何事もなく行為へと移るのか
「 夢射して、精子が固まってる…ふっ…綺麗にしてやるよ 」
「 チンカス舐めるなんて、流石、性欲しかねぇ悪魔だな 」
「 何とでも言えばいい。それが俺だから 」
「 っ…… 」
俺が悪魔に魂を売らないように、コイツも悪魔として揺るぐ気は無いのか
いや、こんな神父を気に入る時点で自信が有るんだろうな
いつか、俺がその首を刎ねるとは知らず……愛撫する様子は滑稽だった
「 流石に、体液飲まして無いと反応悪いよね…… 」
「 媚薬を使わねぇと勃起すら出来ねぇのか?それが、上級淫魔だなんて……笑わせるな 」
「 言ったね……。オニーサン、後悔するよ 」
悪魔は死ぬことが無い限り寿命は無いと聞く
オニーサンと昨日から言われるが、恐らくコイツの方が遥かに生きてるだろう
そう考えると複雑だが、見た目は俺より若い二十代後半ぐらいか…
確かに、オニーサンと言われるのは分かるが…素性を知ってる俺からすると気に入らねぇ
つーか、コイツ…実は、セックス下手なんじゃねぇか?って思い始めた
夢の中では悪くなかったはずだが、今は勃起しない事に首を傾げる始末
そりゃ、夢であんな射精してバスローブを汚してりゃもう出ないだろう
「 おい、しゃぶるだけしか脳がねぇのか。やる気がねぇなら退け 」
「 五月蝿いな……人間風情が…… 」
コイツの頭は餓鬼か?上手く反応しなかっただけで八つ当たりしてきて、エメラルドグリーン色の瞳は赤く色が変化した
あぁ、気持ちの変化で目の色が変わるんだなと解釈していれば身を寄せ、顔を向けて来た為に片手で口を塞ぐ
「 んぐっ…… 」
「 いいか、ご自慢の体液を使わず求めさせてみろ。それが淫魔だろ? 」
何故、淫魔の味方みたいにならなきゃいけないんだ
いや、身体をくれてやるなら気持ち良くなりたいのは本心だ
それなのに犬みたいに舐められるだけじゃ、まだ孤独な女の愛犬であるバター犬の方が有能だろう
コイツは性欲はいっちょ前な癖して、ヤり方は舐めるか突っ込むだけ
その辺りの高校生より下手過ぎて相手にならん
言葉を告げた俺に、淫魔の瞳孔は開きその瞳は緑色へと代わり手の平へと舌を滑らせた
「 っ…… 」
気持ち悪い唾液の感覚に手を引けば、淫魔は手首を掴みその部分へと犬歯を軽く当てた
「 やってあげるよ。淫魔の能力を使わず…トロトロにしてあげる 」
「 はっ、出来ねぇくせに 」
「 やってみなきゃ、分かんないだろ?オニーサン 」
手首を引き寄せそのまま背中へと片腕を巻き、抱き締めるように密着した淫魔は片手を滑らせ
己の陰茎を取り出し、俺の反応の鈍い陰茎を重ねた
生々しい肉棒の大きさに密かに眉を寄せれば案の定、手は包み込みお互いの物を擦り始めた
「 っ……! 」
流石に舐めれるのは冷静になれるが、肉が重なったまま擦られる感覚は男同士でしか体験出来ないものの為に気持ち良さはある
気に入らないが、やってみろ…と言ったのは俺自身……
仕方無く背中へと腕を回した肩へと掴む
「 ふっ…オニーサンのちんぽ…気持ちいい……。デカくなってきた 」
「 はっ、黙って…手、動かせ…… 」
「 ふふっ…はぁい…… 」
達者な口を縫い合わせたいと思うぐらいよく喋る
耳へと舐める舌先が、そのまま中へと入り鼓膜に届く水音は脳を刺激する
夢だとさっさと媚薬で快楽を拾えたが、何もしなければ只の男同士のセックスでしかない
これで一方的に受け入れるだけなのか、
そんなの気に入らねぇ
使い道の無かった手を動かし淫魔の後頭部に触れ、髪を掴み軽く撫でれば
淫魔は耳元で浅く笑った
柔らかい癖毛は羊というより猫のようで、シルクのように案外心地がいい
「 はっ、ぁ、っ…… 」
下半身へと熱が集中し、扱かれる感覚に熱い吐息を漏らす
首筋へと舐め、時折歯を立てない程度の甘噛みすら悪くない
俺はもしかしたらフェラが好きじゃないだけなのかもな…いや、昔から好きでは無かったか
まだ、手コキの方がいいと密かに腰を揺らし悪魔の陰茎に擦り合わせていれば、手の速度は上がる
「 っ、ぁ、はぁ…ハァッ……くっ…… 」
「 ふぅ…すごっ、手だけで…イきそ……ん……きもちっ…… 」
「 あぁ、くそ……ぁ、わるくねぇ…… 」
淫夢を見たのが原因だと言い訳をしたいほど、悪くは無かった
散々、舐められにも関わらず萎えていた陰茎とは思えないぐらいガチガチに勃起し
ガマン汁を垂らし、それを擦り合わせて擦られる感覚に小刻みに太腿や身体は震える
髪を掴んだ手に力が入り、悪魔が密かに喘ぐような声が耳に届き
我慢をする気もなく、迫る欲に身を任せた
「 くっ、っ〜〜!! 」
「 はっ……ん……! 」
薄いはずの精子は濃いほどに射精し、自らの腹を汚せば、淫魔もドロッとした量の多い精子もまた身を汚す
淫魔なら直ぐに復活するかと思ったが、コイツは深く息を吐き、休憩をしてるように見えた
本当に淫魔か……?
本で見たより何かが可笑しいと、疑問になり、ふっと肌に当たる冷たいネックレスに気付き手で触れようとすれば
淫魔は身体を起こした
「 っ……! 」
左右の瞳の色が其々に緑と赤に光る、熱に犯された淫魔は、犬の様に、熱い息を吐き俺の頬に触れるなり顔を寄せた
また唾液でも飲ませるのかと顔を背ければ、そんな様子はなく変わりに頬へと柔らかい口付けが落ちた
「 …は?ぁ、っ……… 」
余りにも恋人にでもするような優しい口付けに拍子が抜けていれば、気付いた時には股を開かされ孔へと亀頭が押し付けられていた
コイツは犬か!温厚な羊に見えねぇと文句を言おうとした時には、孔を開く様に直腸へと押し入ってきた
「 ぁ、くっ……! 」
「 はぁ、ッ…… 」
あんなに口五月蝿いやつが喋らなくなったのも薄気味悪いと感じ、視線を向けようとすれば息を呑んだ
「 はぁ、っ、ん…… 」
悪魔はほんのりと頬に色を乗せ、気持ち良さげに熱を含み瞳を薄っすらと開いたまま、俺の身体を抱き頬に唇を押し付けたまま、犬の様に腰を揺らし打ち付けていた
その態度に、コイツは…只…すげぇ、気持ち良がってんだなって知った時には
密かに鼻で笑い、頭を撫でていた
悪魔は好かないが、案外…可愛い反応をする
只…マシで揺らして擦るのがしつこいしねちっこい
「 っ……ぁ、くっ……! 」
「 はぁ……きもち、っ……オニーサンの中……ん…… 」
いつもより早く起きていたからいいものの、
こんなのも長く攻められるなら、時間帯を考えなきゃいけないな
促され射精し、中へと注がれる精子に身を震わせ
気持ち良さげに惚けた顔を向け、腰を振る悪魔は中々手放してはくれなかった
「( 腰がいてぇ…… )」
「 父さん、あの悪魔はどこいった?追い払った? 」
「 彼奴は……羊の姿で寝てる 」
「 へ? 」
ヤるだけやってご機嫌で羊の姿で寝ている
なんとも、図々しい奴だった
あんなのが上級悪魔?
絶対に、有り得ねぇ……
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