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02 お騒がせ淫魔
〜 クオレ 視点 〜
あんなに考えが消えるぐらい夢中で腰を揺らしてたのは初めてだった
夢じゃ考えられねぇぐらいに興奮して、
ひたすら気持ち良かったなぁ
オニーサンの余裕ある表情が時より悩ましげになったり、その分…キュッキュ中を締め付けて最高だった
「 メェェ…… 」
「 父さん、この悪魔。本当に悪魔? 」
「 嗚呼、毛には触るなよ。睡魔に襲われるぞ 」
何やら餓鬼の声が聞こてる
触れば良いものの、敢えて否定するオニーサンに眠っていた目をゆっくりと開けば
二人は並んで目の前に立っていた
「 メェェェエ……( ふぁ、ねむっ )」
「 普通に羊だな、デカいわたがしみたいだけど! 」
「 美味しくなさそうな色をしてるがな…… 」
交尾を満足すると眠くなるんだよ
本能が勝って賢者モードなんて言うやつになるんだろうなぁ
数回欠伸をしてやっと頭が覚醒していけば、餓鬼は制服みたいな格好になり、オニーサンもまた着替えて髪も整えていた
「 そう言えば悪魔ってここに置いていいの?そろそろ、学校なんだけど…… 」
「 どうだろうな。おい、悪魔。下手に悪さをするなよ…俺は翔太を学校に連れて行ってから仕事に行く 」
「 メェェ( 行ってらっしゃい )」
「 なんか、平気みたいだよ? 」
「 ……行くか 」
今は腹も膨れて満足してるから、別に動く気にはならなかった
二人は学校と仕事いう場所に行く為に、部屋を出てあの追い掛けた鉄の塊に乗り込んで走り去った
もう少し寝て、腹が減ったら腹拵えに行くか
ウトウトと眠りにつき、フワフワの自慢の毛に顔を埋めて眠る
オニーサンのいやらしい顔が何度も過ぎった
そう思うと会いたくなって、目を覚ませば羊の姿を止めて
人間界での人の姿へと変え、会いに行って交尾しよう
「 契約してるから、一瞬で会いに行けるぜ。待っててな、俺のマイハニー 」
いつか子を孕ませても良いぐらい身体の相性がいいし、俺達の子ならきっと欲に忠実な淫魔になるに違いない
あんな餓鬼よりずっと魔力も容姿もかせ備えた悪魔が生まれるはずさ
魔法陣の中へと入り、この辺りで畑仕事でもして汗を垂らして色っぽく仕事に励んでるだろうなって思ってたけど
いざ、姿を見せて見上げたら固まった
「 なんだ、この建設物…… 」
空まで届くんじゃねぇかなってぐらい高い建設物
魔界のサタン城より遥かにデカくて、全面ガラス張りみたいに見える
風で揺れてるようにも見えるぐらい強度に不安を感じるも、そんな事よりオニーサンと全然距離が離れた場所に出てきた事に驚く
「 なぜ外だ!?もしかして移動してる? 」
「 何あの人…真夏なのに暑そう…… 」
「 でも、ちょっとイケメンじゃない? 」
「 確かに…… 」
移動してるから距離感がズレたのか
なんて面倒になったんだ
それに、前回人間界に来てるより太陽の日差しが肌を照り付ける
流石に日の下にずっといると体力を取られるために、この建物の中に入ることにした
「「 えっ、すり抜けた……? 」」
中は案外涼しくて、快適だった
俺を見て惚れるのは分かるが、今は気に入ってる人間がここに居るからね
相手にする気はしない
「 君、身分証明書の提示をしなさい! 」
「 一般人は入れないはずだ! 」
「 は? 」
あれ?普通なら、キャー!ステキ!!抱いてー!って言われるはずだが、コイツ等はどっかの兵士みたいな青い服を着て、棒を持ち目の前に立ちはだかった
「 ほら、身分証明書か。許可書があるはずだ 」
「 見せなければ不法侵入として見做し、逮捕するぞ 」
他の人間もまたこちらを見る視線が怯えている
誰一人として惚れたような雰囲気がない事に疑問になる
何故だ、上級淫魔のフェロモンが効果ない人間なんているわけ無いだろう
意味が分からず眉を避けていれば、一人の男は手を伸ばし服を掴んだ
「 持ってない様子なら、警備室まで来てもらうぞ 」
「 ……下郎が俺に触んな 」
「 何を……っ!! 」
「 俺は上級悪魔、クオレ=ディアボロ・アリエーテだ。頭が高い、跪け 」
手を振り払い魔力を使えば二人の男はその場で身を崩し、膝を地に当て頭を床へと擦り付け土下座をする
一瞬の事で怯えたような声を漏らす周りの連中へと視線を向け、片手を上げ下へと下ろす
「「 !! 」」
その場にいた誰もが土下座をし、頭を上げてる者は居なくなった
「 次に俺の前に現れてみろ。その魂、喰らうからな 」
「「 っ……!! 」」
いつの時代も人間は悪魔に逆らう事は出来ない
自分達より優れ、能力のある悪魔の欲と餌となりる為だけに生まれてると理解すればいい
「 邪魔な人間はいなくなったな……。オニーサンを探そ 」
踵のあるブーツを鳴らし、ゆっくりと歩いていれば音と共に壁は開いた
「 えっ、誰…… 」
「 それに乗れば上に上がれるのか? 」
「 えっと……エレベーターなので……はい 」
背後をチラ見した女は青ざめて震えながら密かに頷けば、俺は笑みを溢しその肩に触れ壁の中へと引き込み、扉を閉めた
「 っ!! 」
「 そうか、なら人を探してる。知っているか…その身体に聞いてやる 」
「 なにを……っ、ひぁ、ぁ!? 」
少し茶系の髪は悪くないが、股も魂も汚れている
だが、オニーサンを探すには都合が良いと口付けを落とし唾液を飲ませれば壁に押し付け、股を開かせる
「 ぁ、ぁっ!あっ、ぁあっ! 」
挿入までは早く、早々に陰茎を秘部へと押し込み腰を打ち付けながら、身体を持ち上げ耳元へと顔を寄せる
「 翔太、と呼ぶ餓鬼のいる男を知ってるか? 」
「 あぁ!わかりませんっ、子供を、持ってる…社員は多いので…ひぁ、あっ! 」
「 そうか……なら、御前の魂に問おう 」
「 !!! 」
口付けを交わし、魂を吸い取る様に食らえば女は目を見開き意識を飛ばした
ズルリと中から引き抜くと同時に倒れた女を放置し、魂を喰らいその魂に刻まれた記憶を見れば口角をあげる
「 なんだ、知ってるじゃないか。さっさと言えば…死ぬことは無かったのにな 」
舌舐めスリをし、エレベーターと呼ばれるこれのボタンを押し、オニーサンのいる階まで上がっていけば途中で止まった
「 あ? 」
まだ残りの階はあるはずだか?と考えていれば開いた扉から現れた二人組の男と目が合う
「 えっ…… 」
「 ほら、入ればいい。上の階に行くんだろ? 」
「「 あ、はい…… 」」
なんだ、他にも乗り込む奴がいるときは止まるんだなって思いながら
オニーサンが今朝、着ていた服に似てるものを身に着けた男達はゆっくりと中へと入り、扉が閉まって動き始めてから、倒れてる女へと近付く
「 ちょっ、君…大丈夫ですか? 」
「 気を失ってるのだろうか…… 」
「 いや、待て……息してない……? 」
「 えっ、なんで…… 」
もう少しで目的のところに到着するのに、察した奴等は邪魔だと思う
恐る恐るこちらを見上げた彼等へと、振り返れば恐怖に怯えた表情を見せる
その顔も悪くねぇよ
「 そりゃ、喰ったからな 」
「「 !!! 」」
腹を満たすなら味気無いが悪くは無い
「 此処にオニーサンがいるのか、空が好きだな。神様よりだからか? 」
倒れてる三人を放置し、目的の場所に辿り着けば背中で閉まる扉と同時に、一階のボタンを押し、放置すればエレベーターは下がっていく
そんな事よりも地上からかなり離れた場所にある室内だと思う
とある国にあった城の塔ぐらい高そうだな
「 えっ、誰……!? 」
「 おい…来客を聞いてるか!? 」
「 いえ、全く! 」
相変わらず此処も騒がしいと思うが、いちいち相手してるのも面倒で、歩きながら色濃くなった匂いを頼りにしていれば
周りの声は焦りを見せる
「 そっちは会議室!! 」
「 お、おい。君…今は駄目だ! 」
「 何故? 」
また俺に命令するのか
学習能力の無い人間だと思う
呆れて言葉を向けるのも面倒で、赤く光る瞳を向ければ彼等の表情は青ざめた
バタバタと走る足音が近付き、人が増えた気配に溜め息は漏れる
「 見つけた!!そこの不法侵入者、今すぐ両手を上げろ!! 」
「 エレベーター内で三人の死亡が確認されました…まさかとは思いますが…… 」
「 き、君……。手を、上げるんだ! 」
面倒くさい、そう思いゆっくりと片手を上げようとすれば騒がしいことに聞き付けたように
会議室と呼ばれた中から数人の男達は姿を見せた、その中にはオニーサンの姿があった
彼は目を見開き驚いた表情を見せるが、再会を喜ぶ前に拳銃を持つ彼等の方を向く
「 そのまま見えるところまで手を上げて、膝をつくんだ!! 」
「 さっさとしろ!! 」
「 ……この俺に、膝を付けと言うのか…… 」
「 良いから、早く…… 」
急かす声は耳に届かず、上級悪魔に膝を付かせようとした人間に反吐が出る
「 少し会いに来ただけで、胸糞が悪い。
全員……死ね 」
「「 なっ!? 」」
「 クオレ、止めろ!!! 」
手を下げたと同時に魔力を使おうとすれば、背後から聞こえた名を呼ぶ声に、手は止まった
オニーサン、名前覚えてくれたんだ
って喜ぼうとしたら視線の先に見えた動く気配に身を揺らした
「 っ!! 」
「 俺はとても機嫌がいいから、命は取らないでいてやるが、二度はないからな……? 」
殴りかかって来た男の胸ぐらを掴み、目を合わせて悪夢を見せれば、男は目を見開き泡を吹いてその場で倒れた
「 っ、悪魔だ……!!直ぐに応援を!! 」
「 他の人は逃げて下さい!! 」
「 此処は騒がしい……。また後で伺うとする 」
いちいち相手にしてたらキリがないと思い
足元に魔法陣を発動させ、ゆっくりとその中へと入っていく
その場から消え、その後の事なんて如何でもいいが
あの連中…何気無くオニーサンを守るように立っていたのは気に入らねぇな
「 オニーサンは…俺のなのに…… 」
茂みの影へと移動し、遠くに見えるビルを見上げては、適当に暇をつぶし気持ちを落ち着かせることにした
前に来た時よりずっと人も多く、警戒心が強い
それが何となく居心地が悪い
″ 無能な悪魔が海を渡ってきたんだぁ…? ″
″ 我等の聖地を脅かす者……許さぬ ″
″ 平気だよ。昔と違って悪魔は居辛いんだ。きっとすぐに魔界が恋しくなって帰るよ… ″
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