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幼馴染みに睡眠を妨害される話 ※BL
僕はヘンリー。詳細は省くが、幼馴染みの家に居候している。
天涯孤独の身となった僕に居場所を与えたのは、幼い頃からずっと腐れ縁だったシャーロックだった。恩を返そうと彼の家業の手伝いをしているのだが、正直困り果てていた。
僕は昔から……このいじわるな幼馴染みが苦手なのである。
「遅かったな」
満身創痍の僕を出迎えたシャーロックは、バスローブを着て、濡れた金の髪をタオルで拭いていた。
大学で非常勤講師している僕は、この時期、教授たちの手伝いで帰りが遅くなりがちだ。そんな日々がしばらく続いているので、少し休養したかった。
「ああ。今日も長引いてね……少し眠ってくるよ」
まっすぐ部屋に行き、荷物を置いてそのまま横になった。
何時間くらい眠っただろうか。もしくは数分かもしれない。僕の意識はふっと浮上した。
扉の閉まる音が聞こえた。この家にいるのはシャーロックと僕だけだから、部屋に入ってきたのはもちろん彼だろう。狸寝入りをしてやり過ごすことにした。
すると、彼は僕のベッドに潜り込んできた。
彼に背中を向けているので詳細は分からないが、ふんふんと上機嫌に鼻歌を歌っている。僕の顔を覗き込んでいるのか、頬になにかさらさらするものが触れた。恐らく彼の髪だろう。
僕の身体に腕を回し抱きついてくる。一方、僕の頭の中は甘えてくるシャーロックのせいで混乱していた。
足を絡ませ、僕の背中に顔を寄せ――、そして彼は再び僕の顔を覗き込んだ。
「お前、起きているな?」
彼のいじわるスイッチが入ったのだろう、上機嫌に僕の耳元で囁いた。でもここで狸寝入りをやめたら絶対に居心地が悪くなる。意地で目を瞑っていたら、ふっと耳元に息を吹きかけられた。そしてけたけたと笑って再び僕の背中に抱きついてきた。
僕は正直困り果てている。
このいじわるな幼馴染みが大嫌いなのに……愛してしまっているのだ。
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