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そう。
俺はこの使い魔に命を吹き込む際、「俺とは真逆の性質を持て」と念じたのだ。
だから彼がこんな態度を取るのは当たり前のことで――。
それに思い至った途端、俺は何だかバツが悪くなった。
「話し相手も出来たことだし、俺、そろそろ寝るわ……」
その後ろめたさから、俺はパティスの顔を見ることが出来なくて、踵を返しながらそう告げると、そそくさと部屋を後にした。
閉まりつつある扉の向こうでパティスが俺を呼び止める声がしたけれど、聞こえない振りを決め込んだ。
悶々とした気持ちで足早に暗い廊下を歩きながら、俺はモヤモヤとしたものを感じずにはいられなかった。
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