後悔してない?

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 新たな使い魔を生み出して幾日も過ぎたが、俺は未だに彼の名前を知らない。  ナスターへしているように、奴に向けて意識を()ぎ澄ませれば済むだけのことだというのは分かっている。  しかし初日に感じたわだかまりのせいで、俺は彼に対してそういうことが全く出来ない状態になっていた。  今日は昼寝をしたから大丈夫だと言って、俺の傍を離れないパティスとともに、久々に夜の森へ散歩に出かけた。  そうしながら、俺がすぐ横を歩くパティスを盗み見ずにはいられないのは、気持ちがざわついているせいだろう。  木々の合間を縫うように、十六夜(いざよい)の月光が降り注いでくる。  こういう時の常と言わんばかりに、使い魔たちには屋敷で留守番をさせていた。  だから傍目には夜のデートと言ったところなんだが、そんな甘い空気を味わえるほど俺の心は穏やかじゃなかった。 「ね、ブレイズ。彼のことを作り出したこと、後悔してるんじゃない?」  そんな俺の心中を察したのだろうか。  何の前触れもなくパティスがそう問い掛けてきた。
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