25人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
何でパティスはよかった、と思ったんだろう。
俺に使い魔を作って欲しいと強請ったのは、他ならぬパティス自身なのに。
「な、んで」
それで思わず疑問が口からあふれてパティスに向けられる。
「どうしてか、わからない?」
言葉とともに、腰に回されたパティスの手にギュッと力が込められる。
「ソレイユはね、とっても優しいしハンサムさんよ? ナスターと違って会話も楽しめる。でも――」
そこで言葉を区切ると、パティスが俺の背中に額をこすりつけてくる。
「私が一緒に歩きたいのも、おしゃべりしたいのもブレイズだけだから」
背中にパティスの柔らかな胸の膨らみを感じて、どうしようもなく気持ちがざわついた。
振り返りざまにパティスの華奢な腰をグッと引き寄せて、その可憐な唇を塞ぐことが出来たなら、どんなにか幸せだろう。
そんなことを思ったけれど、欲望のままにそれをしたら、俺は確実に後悔すると知っている。
最初のコメントを投稿しよう!