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「……? ああ」
いきなり何を言い出すんだろう?
もう、ナスターと暮らし始めて十年以上の年月が流れているというのに、彼女の台詞は酷く今更な気がした。
それで、俺は思わず読んでいた本から顔を上げて、怪訝な面持ちで彼女を見遣ったのだ。
その視線を受けたパティスが、得意顔で言う。
「私、考えたんだけどね。これって人型の紙なんかでやったら……私、日中の買いだしにお供が出来てすっごく助かるんじゃないかと思うんだけど……」
床に座っているので自然上目遣いになる格好で、パティスが「駄目かな?」と悪戯っ子のような笑みを浮かべる。
その顔を見てしまったから……俺は人型の使い魔を作ることに異を唱えらえなくなってしまったのだ。
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