繰り返さない、君との別れ

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◇◇◇  雨谷さんとお別れして10日ほど。その日の日差しは特に眩しく、風はすがすがしく、夏の匂いが漂っていた。授業中、珍しくニヤがベランダを伝って窓際にある僕の席までやってきた。 「アマガイが消滅した」  それだけ言ってニヤはトコトコと去っていった。  そうか、と僕は思う。  雨谷さんは、少しでも幸せに眠れただろうか。最後に会ったとき、雨谷さんはとても満足した表情をしていたと思う。これでよかったのかどうかはわからないけど、僕が解放した怪異の1つが消滅した。  紅林邸の秘密の部屋で眠る、絵と雨谷さんのことが思い浮かんだ。  今週末にでも、紅林邸にお墓参りに行こうかなと思う。ナナオさんも誘って。
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