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「君…俺の顔を憶えているよな…」
高崎社長は急に私の顔を見つめ、そう訊き放った。
「…まぁ・・・」
まさか…彼が新社長とは予想もしなかった。
あのまま、ゴミ置き場に放置しておくべきだった。
拾い上げ、介抱したのが間違えで。
「・・・俺は余り…憶えていない…」
「えぇ~っ!?」
私は思わず頓狂な声を出して、「嘘でしょ?」と訊いた。
「嘘はつかない…」
「いや・・・あれは…じゃ…私とのHも憶えていないの?」
「ん、あ・・・それは何となく…起きたら、君と二人…裸で寝てたから…」
「・・・昨日、俺は君に何を言った?」
「何って…色々と社長のコト愚痴っていたし、マスターにも絡んでました…」
「・・・」
高崎社長は落ち込んだように頭を垂れる。
「社長?」
「俺は君に情けない姿を見せたんだな…」
「情けないと言えば・・・情けないですね…」
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