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「浩明か…」
「何で分かるんですか?」
「顔に書いてあるぞ…万葉」
私は彼からプイッと顔を逸らして、俯かせた。
「まぁ、浩明はデキる男だからな…」
互いに歳も近いし、名前を呼び合う仲。
親戚同士だし、仲がいいのは当たり前か・・・
「室長のコトは幼い時から知っているんですか?」
「あ…まぁな…アイツの初恋の女も知ってるぞ」
「へぇー…ちなみにどんな方ですか?」
「兄貴の彼女だ…」
「えっ?社長にはお兄さん居たんですか?」
「まぁな…でも・・・十三年前に交通事故で死んだけど…」
社長の声音が急に切なくなった。
私は言われた通り一時間ぐらい書類のシュレッターをかけて企画室に戻った。
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