プロローグ*酸いも甘いも

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私は室長の姿を見て、気を引き締めてキーを叩き始める。 神戸室長も社長一族の親戚筋。私は神戸室長の父親であり、父の幼なじみの神戸常務のおかげでこの会社に入社できた。 だから、常務には頭が上がらない。 日本最高学府の卒業し、外資系のIT企業『リバティジャパン』に就職。 その後は『アクティビティコンサルティング」にヘッドハンティングされ、ITコンサルタントを経て、わが社に転職。 三十三歳の若さで、エリート集団の経営企画部を束ねていた。 銀色のメタルフレームの似合う理知的な瞳。 鼻筋が通り、一見冷たい印象の受けるクールビューティ。 「長瀬…入力は後どれぐらいかかる?」 「後…一時間ほどで終わりそうです…」 「じゃ、これも頼む」 と室長は私の入力していた資料の山に新たな資料を上乗せした。 仕事に関しては全く容赦がないS・・・ 今日も残業決定だーーー・・・
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