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「・・・竣斗は俺のコトを何て言ってた??」
「あ・・・よく遊んでた…初恋の人も誰か知っていると言っていました…」
「・・・竣斗のヤツ…何、余計なコトを言ってんだ…全く」
神戸室長は恨めしそうに呟いた。
「その初恋の人が誰か…誰に似てるとかまでは…訊いてないよな」
「えっ?」
神戸室長は私に鋭い視線を向け、詰った。
「あ・・・いえ・・・社長の亡くなられたお兄さんの恋人だと言ってました」
「…アイツ…」
神戸室長は唇を噛み締めて項垂れてしまった。
「室長?」
「いや…何でもない…他の連中には…絶対に話すなよ・・・長瀬」
「あ…はい…」
私は余計なコトを訊いてしまったようだ。
「お前の所に俺が入力した分のデータを送信するから…続きはお前が入力してくれ」
「はい…」
「今日は残業しなくていいからな…定時に帰って…よーく寝て…社長から訊いた俺の話を全部忘れるんだ。いいなっ。長瀬」
「あ・・・はい」
神戸室長は私に資料を渡した。
「下がっていいぞ」
「はい…失礼します」
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