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「失礼します」
私は神戸室長の父親・神戸常務に呼び出された。
「常務、ご用件とは何でしょうか?」
「ウチの息子はしっかりと業務をこなしているか?」
「あ、はい…」
私の父と神戸常務は幼なじみの関係。
就活で苦戦していた私を父が心配して、神戸常務に相談。
私が「帝商フーズ」に内定を貰えたのは父の口利きのおかげ。
「長瀬さん…君には申し訳ないが…「営業企画部」から「秘書課」に異動して貰いたい…」
「えっ!?私が秘書課に??」
秘書課はキレイ処の多い部署。
「高崎新社長の専属秘書を務めて貰いたいんだ…」
「新社長の秘書…ですか?でも・・・私じゃなくても…秘書課には優秀な秘書たちが…異動したてで、社長秘書は荷が重すぎます…」
「…息子の君に対する評価は高い…君なら、わしもできると信じている…嫌とは言わせないぞ…わしは君の父に金を貸しているんだ…幼なじみとはいえ、返済の滞りは困る…」
「父が常務に借金ですか!?」
私は驚き、狼狽する。
「君の秘書課異動は決定事項だ。
そして、君はわしのスパイとして、高崎社長の行動をその都度報告するコト。
分かったね…長瀬さん」
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