人事異動

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「社長室のコーヒーサーバーはやっぱり違いますね…」 「他のフロアにコーヒーサーバーは知らないので…俺は違いが分かりませんが」 「そうですか…」 二人でコーヒーを淹れていると社長が出入口でジッと見ていた。 「社長、そこで何してるんですか?」 「え、いや・・・別に…」 社長は私と目を合わせた途端、デスクに戻って行った。 「変なの・・・」 「…あんな高崎さんは初めて見たよ…」 「そうですか?」 「・・・長瀬さんのコトが気になるんですね…」 「えぇ~っ!?」 「・・・コーヒー…貴方が持っていってください」 「あ、はい」 私は淹れたてのコーヒーをトレイに載せ、社長のデスクへといそいそと持って行った。 「コーヒーです。どうぞ」 「ありがとう…長瀬さん」 「…社長…仕事してくださいね」 「俺はお前に言われてなくてもやってるぞ」 社長は怒って、私に資料を見せた。 「冗談ですよ。冗談…」 「俺は一応社長だ…からかうな…万葉」 「…社長と長瀬さんはお付き合いされているんですか?」 「・・・別に…」 「でも・・・二人はいい雰囲気ですよ…本当に仕事が出来るか…不安ですね」 「神木…それよりもコーヒー飲んだら、会議に行くから…留守を頼む」 「はい、承知しました。長瀬さんと共に社長の留守をお守りします」
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