恋人のキス

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「横暴って…俺は別に…」 彼は後ろを振り返り、私をジッと見る。 色素の薄い切れ長の瞳に私の顔が映り込んだ。 私も肩を揉む手を止めて、彼を見た。 社長は肩に乗った私の手を掴んだ。 「社長!?」 そして腰を上げて、私を抱き締めて来た。 「ち、ちょっと!?」 「…常務の推薦とは言え…お前が自ら、俺のテリトリーに入って来るなんて…思いもしなかったぞ。万葉」 「わ、私だって…」 常務の命令でなきゃここには来なかった・・・ 社長は私の顔に顔を近づけて来る。 彼の吐息が私の頬を掠めた。 「万葉お前…いつ目を瞑るんだ?」 「え、あ…」 私は慌てて目をギュッと瞑った。 すると唇に社長の肉厚の良い柔らかな唇が重なって来た。 Hのテクニックもさることながらキスも上手な社長。 私達は暫く甘いキスに溺れてしまった。 「!?」 ノックの音で、互いに我に返って、唇を離した。 「誰だよ…全く」 「はい」 「神戸だ…」 「浩明!?そっか…万葉お前は隠れろっ…」 社長は私をプレジデントデスクの下に押し込んだ。
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