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私は竣斗さんに頼まれた書類を持って、常務室を訪れた。
「君か…」
「常務…社長からの書類です」
「ありがとう…所で、今日の成果は?」
「え、あ…何もありません…」
「何もない?」
常務の目が光った。
「あ・・・明日の「就任パーティー」のスピーチ必死に憶えています」
「…くだらない…下がっていい」
私は常務に「失礼します」と一礼して、廊下に出た。
スパイと言われても、常務がどんな情報を欲してるのかさっぱり分からなかった。
元々、気難しい人。
でも、私は彼と交際するコトになった。
――――この先どうしようか…
常務のスパイで有り続けるコトは彼を裏切るコトになる。
私は盛大な溜息を吐いた。
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