恋人のキス

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****** 私は竣斗さんに頼まれた書類を持って、常務室を訪れた。 「君か…」 「常務…社長からの書類です」 「ありがとう…所で、今日の成果は?」 「え、あ…何もありません…」 「何もない?」 常務の目が光った。 「あ・・・明日の「就任パーティー」のスピーチ必死に憶えています」 「…くだらない…下がっていい」 私は常務に「失礼します」と一礼して、廊下に出た。 スパイと言われても、常務がどんな情報を欲してるのかさっぱり分からなかった。 元々、気難しい人。 でも、私は彼と交際するコトになった。 ――――この先どうしようか… 常務のスパイで有り続けるコトは彼を裏切るコトになる。 私は盛大な溜息を吐いた。
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