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やっと、このときが来たんだ。
僕はこの時を待っていたんだ。
暗黒神として、この世界に君臨する日を。
幼き時に失った兄弟たちの分まで生きてやる……その思いが僕を支えていた。
そして、僕はついにこの時を迎えたのだ。
黒々とした羽根、硬い鎧に覆われた手足、見るものが悲鳴を上げて逃げ出すような、恐怖の化身へと無事最終変化した。
さあ、人間共を蹂躙してやる……!
闇に紛れ、今まで隠れ住んでいた場所から抜け出す。
ここからは僕のやりたい放題だ。
僕はもう弱い子供じゃない。
空だって飛べるんだ。
そう思った瞬間、世界が光りに満ちた。
クッ、何だこれは……?
「ギャーーーッ! ゴキブリ!」
叫び声と共に何かが僕に向かって発射された。
白い煙につつまれながら、僕の意識は段々と薄れていった…………
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