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「よし、今日はあの女にしよう」
俺は今日のターゲットを20代前半であろう若くてスタイルの良い女に定め、駅の改札を出て後をつけ始めた。土地勘のない駅だったが、良い女が降りたのならばついて行くのみだ。
俺には少しおかしな趣味がある。それは好みの女を見つけては、その女の後をつけること。ストーキングと言われればそれまでなのだが、世間一般に言われるストーカーと自分は違うと信じていた。世間一般に言われるストーカーというのは、おそらく1人の女に対して一方的な感情を抱き、執拗につきまとう奴をいうのだ。
それに対して俺は、つける女に感情などない。なにせ、その日目をつけただけの女なのだ。そして、1人に固執する気もない。1人のターゲットの後をつけ終わったら、次はまた違う女だ電車やバス、街を歩いているときなど、いかなる時でも俺はターゲットを探している。
では、その女を尾行して何をするかというと、特に何もしない。綺麗な女の後をつけるというだけでスリリングなのだ。女が尾行の気配を感じてくれて慌ててくれたりすると、最高だ。
一応、その女の家まで尾行できればゴールと定めているのだが、これまではほぼ家まで尾行できている。こんなことをいつまでも続けるつもりはないが、こんなバカをできるのも学生のうちだけだ。大学を卒業して社会人になったらやめるつもりだが、学生のうちはこのストーキングであらゆる女を尾行してやろうと思う。
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