かわいそうなストーカー

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駅から離れ、人気がなくなりさみしい通りを歩く女。 時刻は夜の10時になっていた。こういったさみしい通りの光は所々にある街灯だけなので、辺りは暗かった。こういった道の尾行は難しい。人気がなく隠れる場所もないので、ある程度距離を取るしかない。しかし、距離を取りすぎると見失ってしまう。見失わず、気づかれない程度の距離感が難しいのだ。 女が路地を曲がる。少し間をおいて、同じ方へ曲がると公園があり、女はその公園に入っていった。 俺も公園に入った。女の姿が前方に見える。俺は見失なわないように後をつけた。少し距離はあるがはっきりと女が見えていた。しかし、ふと、女が視界から消えた。 少し大きめの公園、その中にある道を女は歩いていた。道の両サイドには木があったが、隠れたというわけではない。ふっと、消えたのだ。これまでの尾行でターゲットを見失うことはあった。しかし、それはこちらのミスや相手に気づかれて巻かれたときなどだ。 今回、俺に落ち度はなかった。というより、目の前の女が突然消えるなど、今までの経験になかった。 俺は走って女の消えたあたりまでやってきた。
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