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コトンと、フォークを置く…。 あんなに知りたかったことなのに 知らない方がよかったと、思った。 美味しかった食事も喉を通らなくなった。 「わたしは、サン・エディ・アーダルフェル、将軍を務めさせていただいている、以後、お見知り置きを…」 「あの、俺はこれから…」 「もちろん、クラチアへ帰還していただく、道のりは長い、その間で取り戻したらいい…」 このまま、2度と家へ帰れない? そんなの… そんなの… 気付いたら立ち上がっていた。 「帰ります…家に帰らせて下さい!」 どうやって帰るなんて、考えている間もなく自動ドアをくぐり走って廊下に飛び出した。 無重力になる体、ふわふわして全く身動きが制御できないでいると、髪の長い青年がふわりと抱きとめてくれた。 「陛下、お1人で…危険です。」 「俺は陛下なんかじゃ…」 帰りたい 帰りたい 帰りたい 帰りたい! 強い意志に反応したのか、胸のラズリが青く輝く。はじめての事に驚きながらも、石を強く握る、ヒカルの体、全身に浮かぶ青い術紋様。 帰るんだ! 「いけない、共鳴が!?ラズリは封じられているはずなのに…」 青年を振り払って進むと、青色の少女が自分を包んだ。そんな感覚がした。 帰ろう…ラズリ… 『ええ……ヒカル……』
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