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翌朝になっても、かなり薄くなったとはいえ紋様が消えないので、ぎこちない態度のまま母に連れられて、かかりつけ医の元をたずねる。 幼い頃から、なにかある度に、父の仕事の関係先の宇宙局の医師に診てもらっている。 …人間じゃなくて…俺は、宇宙人って…こと、なんだもんな。 両親はそれをずっと知っていて…… 「体の方に異常はないよ…」 そう言われてひとまず安心する。 なにがあったのか、わからなかった、自分が、どうなるのか不安だった。 「あの…俺の血液型がずっとわからないのって…」 「そうだね、地球上には存在しない血液型だから…」 今まで、聞けなかったことを思い切って聞いて、やはりショックを受ける。 宇宙人がいるいないじゃなくて、自分自身が宇宙人…。 「でも、転んだ時ちゃんと血は赤かったでしょう?驚くほど…ヒトにそっくり…ほとんど同じと言っても過言ではないよ。強いて違いを言うなら心臓が右にあることくらい?それは、地球人と同じでキミ特有のことかもしれないし…」 医師は、ショックを受けている事に気付いてなのか、優しく教えてくれた。 それでも、やっぱりショックは消え去らない。 今まで、初めてのこと、初めて食べるものに、母が人一倍慎重だった理由もこれでわかった。 悲しいほど埋まっていく真実…。 診察を終えて、紋様が見えないように上着を羽織って帽子を深くかぶり、マスクもする。 万が一クラスメイトに会ったときに驚かれたり、騒がれたりしないように… 病院の外来待合室で、会計を待ってる間、母とは言葉を交わすこともなくシーンとしたまま…。
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